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工具箱・キャビネットによるRFID工具管理

工具箱・キャビネットによるRFID工具管理


工具を現場で利用する場合、必要な工具を工具箱に収納して現場へ持ち込むケースが少なくありません。現場の作業環境は過酷なことが多く、スピードを求められることもあります。そのため注意が散漫になり、工具を紛失するリスクを抱えた作業になることは珍しくありません。現場によっては、工具の紛失が事故につながることもありますが、安全確保のためには工具の紛失は許されません。工具にRFIDタグを取り付けることにより、工具の所在場所を管理することが可能になり、安全は飛躍的に向上させることが可能になります。工具箱単位で管理を行う場合には、適切なRFIDアンテナの選定がシステム設計における鍵になります。

 

UHF帯で利用される多くのRFIDアンテナは、アンテナ面から放射される電磁波が遠くまで伝搬して、離れた距離にあるタグでも読み取りをできるように設計されています。それに対してケーブル・アンテナは、アンテナを配線した近傍にあるタグだけを読み取る運用に適しています。この特徴は、金属製のキャビネットや箱の内部など、閉じられた空間内にあるタグの読み取りに特に適しています。国内で流通しているケーブル・アンテナ製品としては、フジクラダイヤケーブル製CXPAがあります。

 

▼ 内部にケーブル・アンテナを装備した工具箱

形状がケーブル・アンテナに類似している漏洩ケーブルもアンテナとして有効ですが、タグがケーブルと平行に並んでいない場合には、安定した読み取りをできないという特性があり、用途が限定されます。それに対してケーブル・アンテナは、アンテナの法線方向に配置されているタグに強く応答し、タグの向きがランダムな状態でも比較的安定した読み取りをできる特性をもっています。そのため工具キャビネットや工具箱の内部にアンテナを配置して、RFIDタグを取り付けた工具の読み取りを行うには、ケーブル・アンテナによる読み取りが適しています。ただし高い読み取り性能を実現するためには、工具に適したタグの選定を行うとともに、アンテナとタグの配置の最適化を図ることが課題になり、事前にその検証を行うことが必要です。