生産、流通、小売りそれぞれの現場では、インターネットを介して収集されたビッグデータを見える化し、生産プロセスの管理や効率化、収集されたデータによる戦略立案やトレーサビリティーの確保、品質の向上、柔軟なサプライチェーンの構築など、変化の兆しにいち早く対応する為のIoT社会実現に向けた動きが加速しています。
これらの動きを支える無線通信技術の高度化、センサーネットワークやプラットフォームの進化の中で、特に仕組みづくりに欠かせない技術として、今UHFを使ったRFID技術に注目が集まっています。
これからUHF帯RFIDシステムの構築を行う方から、「UHFタグを1回読み取るには、どれくらいの時間を要するのか」、「1秒間に何回くらい読み取りを行えるのか」と言ったご質問を多く受けます。
この様なタグの読み取り時間の疑問に対し、リーダライタとタグとの交信の状況を視覚的に捉え解析できるCISCセミコンダクタ社製Xplorerを使い、タグの読み取りの様子を確認してみましょう。
【1】タグをリーダライタで読取る場合、リーダライタとタグの間では以下のシーケンスで、やり取りが行われます。
【2】実際に1Wのリーダライタ、アンテナ、1枚のタグを用意して、タグの読み取りを行ってみました。使用したリーダライタのパラメータ設定は、以下の通りです。
R-T Modulation | PR-ASK |
---|---|
Tari (us) | 25 |
Link Frequency(KHz) | 250 |
T-R Modulation | Miller-4 |
Divide Ratio | 64/3 |
Frequency | 920.4MHz |
Session | S0 |
Target | Dual |
Q | 0に固定 |
【3】CISCセミコンダクタ社製Xplorerのスニファ機能を使い、タグの読み取りの様子を記録した結果は以下の通りです。
【4】この結果から、この条件でのタグ1枚の平均読み取り時間は、以下の表にまとめた通り4.7mSecとなり、単純計算で1秒間に約213回読み取れる事が分かりました。