米国Impinjが開発した業界で最高性能のRFIDリーダライタです。
製造、物流、流通などの分野で業務の中核を担う大規模なシステムに適した製品であり、信頼性が高いだけではなく拡張性に優れ、セキュリティの高いシステムの構築が可能な製品です。
R700以前にはSpeedway R420が業界で最高性能の製品でしたが、それをはるかに凌ぐ性能をもっています。Speedway R420は国内を含めてワールドワイドで膨大な台数が運用されており、今後も生産が行われR700と並行して販売が継続します。
圧倒的な読取感度
R700は多くのRFIDリーダライタに比較するとタグの受信感度が高く、-90dBmに近い受信感度をもっています。この値は、Speedway R420 に比較すると約10dB高い値です。それにより、極めて長い読み取り距離を実現しています。
高速エッジ処理
高速なタグ処理アルゴリズムにより、大量のタグを高速で読み取る機能をもっています。ただし、タグの受信感度と読み取りの高速性が両立することはありません。受信感度と読み取り速度に関しては、運用目的に応じてバランスを重視したシステム設計を行うことが求められます。
高速プロセッササブシステム
R700にはデュアルコア1GHz Cortex-A7プロセッサを搭載しており、アンテナ制御、タグの読み取り、GPIO入出力信号制御などにおける高速の制御と処理を可能にしています。タグの読み取り処理に関しては、運用をするタグチップがImpinj製M700の場合に最高性能を実現できます。
高速ネットワークへの接続性
R700は10/100/1000Base-Tイーサネット接続が可能であり、読み取りデータのホストへの高速での転送が可能です。これによりR700は、広範なIoTアプリケーションに応用をすることが可能になります。
豊富なRFIDアンテナ機種の認定
国内でRFIDリーダライタを運用するには、接続するRFIDアンテナを組み合わせて認証取得をする必要があります。R700は、Speedway R420と組み合わせて認証されたすべての機種のアンテナと電波認証を取得しています。RFIDの運用では、リーダライタよりもアンテナの特性がさまざまな運用に有効なことが多く、アンテナの選択肢が多いことが運用の多様性を決める重要な要素です。特に国内製のRFIDリーダライタでは、自社製のアンテナだけを認証しているリーダライタが少なくありません。認証されているアンテナの機種が少ないと、応用の範囲も限定されることになります。
Impinj製品の場合はSpeedway R420でもR700でも、RFIDアンテナで世界シェアトップのTimes-7社製品など、選択のバリエーションが多いことがRFIDの多彩な応用を可能にしています。R700に接続可能なアンテナは4ポートですが、アンテナハブを利用すると、1台のリーダライタで最大32ポートまでの拡張が可能になります。
ソフトウェア開発環境
RFIDリーダライタによる制御やタグとの交信手順は、EPC Globalが定めたLLRP(Low Level Reader Protocol)に従うのが基本です。R700 にはSpeedway R420と同様に、汎用性の高いAPIが用意されており、IoTビジネスアプリケーションと連携するソフトウェアの開発を可能にしており、以下の開発環境が用意されています。
・Octane LLRP Toolkitを簡略化したOctane SDKと抱負なライブラリ --- C#, Javaをサポート
・あらゆるアプリケーション開発のベースになるOctane LLRP Toolkit --- Java, .NET, C, C++ をサポート
寸法 | 215mm(H) × 187mm(W) × 30mm(D) |
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重量 | 960g |
RFID 交信プロトコル | EPC Global Class 1 Gen 2, ISO18000-63 |
準拠規格 | ARIB STD-T106 2.0版(構内無線局 920 MHz帯移動体識別用無線設備) |
周波数 | 916.8, 918.0, 919.2, 920.4 MHz |
内蔵プロセッサ | Dual-Core 1GHz ARM Processor |
OS | Linux 5.4 kernel, ファームウェア Impinj R700 Firmware |
アンテナポート | 4ポート(端子:TNC/RP, 送受信一体型、インピーダンス50Ω) |
送信出力 | 最大 30.0 dBm (0.25dBステップで減衰可能) |
最大タグ受信感度 | - 92 dBm |
上位接続 インターフェイス |
EPC global LLRP V1.0.1 準拠 |
ネットワーク接続 | 10/100/1000 Base-T |
USBポート | Type A3ポート |
GPIO |
入力2チャネル 出力3チャネル |
電源 | IEEE 802.3af, 802.3at PoE(PoEインジェクタ別売り) |
防塵防水性能 | IP50 |
耐衝撃振動性能 | MIL-STD-810G |
動作温度範囲 保存温度 |
- 20 ~ + 50℃ - 20 ~ + 70℃ |
湿度範囲 | 5~95%(結露なきこと) |
外装素材 | アルミダイキャスト |
品番 | R700 |
Speedway R700 本体の無償保証期間は当社の出荷から12ヶ月間です。
その他、PoEインジェクタ、アンテナ・ハブ、各種アンテナなどの商品の無償保証期間は当社の出荷から3ヵ月間です。
原則としてImpinj社は商品の修理を行っていません。
無償保証期間内に発生した不具合については、不具合品を当社に返送していただき不具合を確認した後に交換品を送付します。
無償保証期間経過後に不具合が発生した場合には、新たに商品を購入していただく必要があります。
なおSpeedway R700については商品購入時に、3年間の無償保証期間延長オプションを購入していただくことが可能です。
Speedway R700に関しては交換を行うと、無償保証期間ならびに経過後のいずれの場合にも製品の製造番号が変わりますので、管轄する地方総合通信局に無線局免許変更届書を提出することが必要になります。